パンドラの箱の中には…

2019年11月、HIVの感染が発覚してからの日々を綴った36歳のゲイブログ

【HIV32日目】感染がわかって6ヶ月以内のPGM 1回目

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発展場、ゲイバーのトイレ、ゲイの出会い系サイトやアプリ、
必ずどこかに、赤色のリボンのデザイン、
そして「検査に行こう」とか「未来のこと」を考えようってポスターやバナーを見かける。

 

検査にだって言ってたし、未来のことだって考えてないわけじゃない。
でも、いざこうしてHIVに感染してしまうとどうしていいかわからなくなる。
これらのポスターやバナーには、たいていHIV陽性者になった人の未来は書かれていない。


疎遠になった知り合いで風のうわさで陽性になった人は聞いたことはあるけど、
僕の友達や知り合いに陽性者はいない。

 

変わっていく体の変化や気持ちの叫びをどこにしていいのかがわからない。
同じような人と話をしたかったんだろう。
同じような人の未来を自分と重ねて見たかったのだろう。

 

 

www.hazi.me

 

 

今日は先日登録したぷれいす東京の「感染がわかって6ヶ月以内のPGM 1回目」
参加は全員HIV陽性者なので、プライバシーを配慮してくれている。
場所は教えられないけれど、指定の場所に集まった。

 

僕を含めて数人の参加者が居た。
年齢は20代後半から40代前半くらい。
性別、国籍問わずいろんな方が居て、必ずしもゲイだけではない。
壁には抗HIV薬のパンフレットなどが沢山置いてある。
この中のどれかをいつかは自分も飲むんだろう。

 

しばらくすると進行役の方が2人来た。
ひとりは、その方自身は陽性者ではないけれど陽性者の相方の為にボランティアをしている方、
もうひとりは、HIV陽性、服薬から10年以上のある意味ベテランの方。
当たり前っちゃ当たり前だけど、
見た目じゃ全然HIV陽性かどうかなんてわからない至って普通の人。
少なくとも、自分も服薬をすれば10年後はこういうふうに生きていられるんだとまずはそれを知ることができた。

 

全くの初めての者どおしが揃ったので、
最初に自分の名前と好きな食べ物を話しましょうと進行役の方が仕切った。

 

 

www.hazi.me

 

食べ物に関しては、先日Twitterで生物が食べられなくなるかもと知り凹んだばかり。
それに気持ち的にはご飯食べたいしお酒も飲みたいのに、
体が全然ついていけなくて、今一番それにストレスを感じているところだった。
とりあえず当たり障りのない返しをして次の人に回す。

 

今日はこんな感じの雑談に、不安なこととか感じていることを話すような機会だった。
あと参加者の半分の方は服薬をすでに初めていて、薬を見せてくれた。

 

とりあえず思うのは、デカい。
なんという名前の薬かはわからないけど、
1.5cmから2cmくらいはあると思う。デカい。

 

ただこれを飲んでいれば、ほぼほぼ今までと何も変わらない生活が送れるんだっていう気持ちと、
これを飲むことは身体障害者となって自治体から補助を受け続けなければならないんだという気持ちと、
いろいろと複雑な気持ちが交差して、よくわからない感情になってる。

 

それにプラスして、進行役の進行がちょっとじれったい。
「えっと、えっと、何を話すんだっけ?」とそればかりで正直頼りない。
藁をもすがる思いで来たこの場所なのに、なんかうまくやっていく自信がない…。

 

そんなとき、HIVになる前の日々がとてもキラキラしたものに思えてくる。
決してそんなことばかりではないはずだけど、
HIVになる前の生活が勝手に思い出補正されて、
あたかもそうなる前が幸せで楽しかったかの様に都合よく蘇ってくる、
そんな記憶に耐えられず泣けてきた。

 

多分今の自分には何も受け止められないんだと思う。
同じHIV陽性者が集まるこの時間は貴重かもしれないけど、
今までと異なる生活様式を受け入れるには、
それよりも、時間が必要なのかもしれない。

 

そんな中、唯一、隣の席の人と少し話ができた。
自分よりも若くて前髪系だけど、
比較的前向きでちょっとあっけらかんとしている子。
次の日、ぷれいす東京の年末のパーティがあり、
僕はそれに参加する予定だが、彼も参加すると聞いて、
それだけが心強い。