人の三大欲求である、食欲、睡眠欲、性欲。
退院後、一番最初に戻ってきたのが食欲。
だから食べる物くらいはちょっとイイモノ食べて楽しみたいと、
HIV感染前はほとんど行ったことのないモスバーガーを最近はよく利用しています。
モス美味しいですよねー(*´∀`*)
それと最近は、ガブガブ珈琲が飲みたくて、
ローソンのメガホットコーヒーを購入(^^)。
Mサイズの約2倍。約500mlで、270円。
スタバでこれと同じサイズくらいのベンティ(?)が410円だし、
新宿3丁目の珈琲貴族エジンバラなんかこれの1/5の量で900円だから、
そう考えればそこそこ安いかな^^;
で、この約500mlのメガホットコーヒー。
どれくらい大きいのかといいますと、
これくらい大きいです。笑(一応、念の為、モザイク加ry)
まぁ、前置きはこれくらいにして、
今日は自分の人生の分岐点の日です。
- 健常者としての36年9ヶ月が終わりました
- 自立支援医療(更生医療)
- 心身障害者医療費助成制度(マル障)
- 都営交通無料乗車券
- 仕事は辞めないでもう少しこのままがんばります
- すべては沢山の方の痛みや死の上に成り立っている福祉サービス
健常者としての36年9ヶ月が終わりました
2020年2月5日(水)。
区役所で障害者手帳を受け取りました。
本日、これをもって健常者として行きた13,423日、36年9ヶ月が終わりました。
厳密にいうと、令和2年1月21日交付なので、
もうその時点で既に障害者ってことになっちゃうのですが…。
なんだか、お前は「お前はもう死んでいる」ってケンシロウに言われた気分。
AIDSを発症せずHIV陽性だった場合はだいたい4級になる事が多いらしいのですが、
自分はその1つ上の3級でした。
体感ではそんな感じはしなかったのですが、
最初のHIV-RNA量の多さ(1000万コピー/ml)と、
CD4の低さ(194/μL)、1ヶ月続いた高熱で医師が3級が妥当だという意見書を書いたのだと思われます。
これを取得したことで、
携帯電話や公共施設などで様々な福祉サービスを受けられるようになるのですが、
まずは抗HIV薬の服薬を1日でも早く始めたいので、
通常この後は自立支援医療(更生医療)の申請を行います。
しかし、うちの自治体は色々こなれているのか、
先日、区役所の障害福祉課で済ませた書類作成で全部その手続が終わっていたようで、
その自立支援医療受給者証の発行も一緒に受け取ることができました。
これでやっとHIVの治療(基本的には薬を飲み続けるだけですけど…)ができます。
自立支援医療(更生医療)
HIV感染症の治療には高額な医療費がかかります。
薬だけで1錠7000円の世界です。これを毎日一生飲むのです。一般人は死にます。
どんなけがや病気の治療であっても、
健康保険の対象となるものであれば70歳未満の自己負担は3割なので、
上記の表のようにHIV感染症の治療が月237,280円であれば、1ヶ月71,180円の自己負担となります。
ただし、健康保険には「高額療養費」として一か月の医療費が所得によって自己負担限度額が設けられてるので、それ超えた分の自己負担はしなくて良いことになっています。
しかし、それでも破産します…。
僕のようなHIV陽性者は、一定の基準を満たすと「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害(以下、免疫機能障害)」として身体障害認定を受けることができ、身体障害者手帳を持つことができます。
これにより、障害福祉サービスとして、医療費の自己負担を軽減する制度を、
感染経路に関わらず利用することができます。
これが「自立支援医療(更生医療)」です。
ありがたいのは、感染経路に関わらずというところです。
自分みたいな感染経路がゴミみたいなヤツでも支援を受けることができるのです。
収入などによって若干ここの金額が異なるので、
あくまで僕の場合はで話すのですが、
自立支援医療(更生医療)を受けると通常月71,180円かかる医療費が、
自己負担月の上限10,000円で、金銭的な不安を抱えることなく安心してHIVと向き合って治療を受ける事ができるのです。
最初のうちはほぼ毎月病院に通いますが、
服薬を始めて、薬にちゃんと効果が合わられていることが検査で確認できると、
通院頻度が2,3ヶ月に1回とかになってきます。
1回の診察でだいたい2~3月分の薬が処方されますが、それでもその時に支払う医療費は10,000円です。
年4回~6回程度、診察のために病院に通うことになりますが、
その際にかかる医療費は、概ね年間で40,000円~60,000円程度ということになりますね。
心身障害者医療費助成制度(マル障)
身体障害者手帳1・2級(免疫機能障害などの内部障害者は3級まで)で、
所得制限基準額を超える場合、心身障害者医療費助成制度(マル障)を受ける事ができます。
僕は3級でかつ、所得制限内なので、その対象になりました。
これがどういう制度かというと、
あくまで僕の場合で、ものすごーくざっくり言ってしまうと、
通常健康保険で自己負担3割の医療費が、
HIV関係なく1割負担になります。
これも制度を受ける際に役所から受給者証が発行されるのですが、
例えば、これを2月5日に受け取って、
受給者証に発行されている日にちが1月21日だった場合、
有効期間が1月1日から6月30日になっているので、
受給者証を受け取る前に1月1日以降、
健康保険証を使って3割負担で医療を受けていた場合、
さかのぼって残りの2割が戻ってきます。
至れり尽くせりで申し訳なくなります…。
ただ、この制度は同じ3級以上でも収入によって受けられる人と受けられない人がいるので、
僕は事前に役所の障害福祉課で電話で確認をしたんです。
僕:「もし受けられるようであれば、マル障の申請も一緒に行いたいのですが…」
窓口:「あ、大丈夫です。先日作成した書類とともに一緒に申請済です。」
僕:「私は、マル障の制度を受けられるのですか?」
窓口:「はい。収入が少ないので受けられます… あ。」
あ。じゃねぇーし。笑
どうせ自分は低所得者ですよーだ
都営交通無料乗車券
本題からはちょっとそれるんですけど、
東京都在住だと、障害者手帳と一緒に都営交通無料乗車券を受け取ることができます。
都営バス、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナー、都電荒川線、
これらの公共交通機関が無料で乗車できるようになります。
特に都営大江戸線が無料で乗車できるのはありがたいです。
大江戸線が使えるとだいたいどこへでも行けます。
最初、磁気カードで受け取ることになるので、
必要に応じて自分で都営交通の窓口にてPASMOに変えてもらいます。
磁気カードを通せる自動改札機が少なくなっているので、
PASMOに変えたほうが便利です。
でも紛失するとちょっとめんどくさいらしいです。
仕事は辞めないでもう少しこのままがんばります
軽く上の記事でも書きましたが、障害者手帳を取得したら退職するつもりでいましたが、
もう少しこのまま続けてみようと思います。
理由は4つあるんですけど、
- 3ヶ月間でHIVと向き合っていくこと、批判や軽蔑を受け止めて生きていく覚悟がだんだんもてるようになってきた
- 周りの一緒に働くスタッフもHIV陽性者の自分と一緒に仕事することに慣れてきて、ほぼ今まで通りに仕事ができるようになった
- 会社側から障害者控除を受けた方がよいと提案してくれて、その控除も会社の方でやってくれる
- 障害者雇用になっても、今まで通りの給与体系と雇用条件であること
特に下の2つに関しては、会社の方から言ってくれたので、
それで辞めてしまうのは、なんだかバチがあたるような気がするし、
簡単に再就職できる年齢でもなくなってきているので、
これからもお世話になろうと思います。
すべては沢山の方の痛みや死の上に成り立っている福祉サービス
僕がこれから受けられる医療や福祉サービスはすべて、
HIVに感染した、あるいはAIDSを発症した、
あるいはその人達に適切な医療とサービスを受けられるようにしたいと奮闘した沢山の方々の努力や痛み、そして死の上に成り立っているものです。
謙虚に大切に使わせて頂き、これからを生きていきます。
そして、やっぱり究極の目標というか、夢は、
生きてるうちに健康になって障害者手帳を返却できる日が来たらいいなと思います。
ってことなので、
保険証の裏の臓器提供意思表示の文言も覚悟を決めました。
2020年2月5日(水)HIV陽性診断から78日目。
僕は、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害により身体障害者になりました。