HIV陽性を告げられて1ヶ月。
体力は全然元に戻って来ないけれど、
カロナールを飲まなくても平熱で居られるようになった。
食欲も退院後はバナナとみかんばっかり食べてたけど、
徐々にスーパーのお惣菜も食べられるようになった。
それで調子に乗って、松屋に行って牛焼肉定食のWを注文したけれど、
さすがにそれは全然食えなくて、
でも残すのも申し訳ないと思い最後は無理やり泣きながら食べてた。
この頃Twitterでは同じHIV陽性者の方が自分とつながってくださって、
いろいろと教えてくれるのです。
何気にショックだったのは、
「生物は控えた方がいい」ってこと。
牛焼肉定食といえば、サラダが付いてくるけど、
あのサラダもダメなんだって。一応生物だから。
身体の中にはからだを病原体から守るしくみ『免疫』があります。
免疫には、血液中の白血球の一つであるリンパ球が大きな役割を担っていますが、
中でも「CD4リンパ球」と呼ばれるものは免疫の指令塔の役割を果たしています。
HIVはそのCD4リンパ球に感染して破壊し徐々に減らしていき、逆にHIVウィルスを増殖します。
そのCD4は血液検査をすると数値がでます。
感染していない普通の健康な人はだいたい700~1200/μLくらいあるそうです。
この数値が200/μL以下の人は生物はダメらしいです。
僕はまだその数値を知らないため、一応できるだけ避けるようにしてます。
でも、やっぱり楽しくないんですよね。
病気になって3大欲求を根こそぎ奪われて、
今やっと食欲が回復しだしたところ。
でもお刺身とかお寿司とか、特にサーモンが大好きなんですけど、
それが食べられない。歯がゆい。
12月20日 HIV31日目:梅毒のような発疹
夕方、仕事中に腕に何か熱を感じたんです。
また熱が上がったのかなと思い、
手の甲を見ると何か赤い発疹が見えた気がしたんです。
これはまさかと思い、袖をめくるとこれです。
熱だけで終わらなかった、腕にも何か出てきたと凹みました。
HIVは血液や精液でしか移らないからまだしも、
万が一梅毒だったらお風呂やタオル、
コップの回し飲み、箸の使い回しでも感染してしまうので、
このままでは誰に会えない。
12月21日 HIV32日目:診察
次の日、仕事が休みだったので、
病院の午前診療に行くためにシャワーを浴びようと寝巻を脱いだら、
顔と手のひら、足の裏以外、上の写真のような模様だらけ…。
これはさすがにやばいなと思い、急いでシャワーを済ませて病院に行きました。
今日の先生は、
入院初日に診察をした、僕の事を薬中扱いした先生でした。
だからもう開き直って、
「入院時に執拗に薬物聞かれてから一番嫌いな先生だった。」
「退院後も先生の気になる薬物は一切してないよ。」って言ってたら何か最後は軽く打ち解けて逆に僕の中でいい先生になりました。(笑)
肝心な診察の方だけど、
先生の御見立てでは、梅毒のような気がしないらしいです。
確かに手の平や足の裏、陰部にはそれらしき発疹は出ていないんですよね。
それでも一応採血をして、月曜日に先生が電話で結果を教えてくれるとのことなので、
それを待つことにしました。
ただ、ひとつ気がかりだったのは、
この日の夜、ぷれいす東京の「感染がわかってから6ヶ月以内の陽性者プログラム」に参加する予定でした。
「普通に過ごすだけなら誰にも移さないし、
他の陽性者のお話を聞くのはいいことだと思うので行ってきてください。」と
先生も仰ってくださったので、首周りとか腕が隠れる服装で行くことにしました。
人の事を薬中扱いしてきたけど、やっぱりいい先生だ。
12月26日 HIV36日目:梅毒陽性
結果は梅毒も陽性でした。
HIV陽性になると、よく梅毒も一緒にかかるって聞きますが、
模範解答のような結果になりました。
25日にまた病院に行き、HIVの血液検査と一緒に梅毒のお薬ももらうことになりました。
ちなみに梅毒の治療は、サワシリンという抗生物質を使います。
これを1日3回服用します。
以前、扁桃腺炎の治療にサワシリンを処方してもらったのですが、
蕁麻疹が出てしまったので、今回この薬は使えず…。
代わりにビブラマイシンという別の薬を1日3回服用して治療してきます。
梅毒は一応治る病気なんで、HIVほど凹みはしないけれど、
あまりにもビョーキ野郎過ぎて、つくづく自分が自分で嫌になってきますね。
ところで、今まで梅毒のRPR検査って、
1、2、4、8、16、32、64…みたいな数値で出されて、
8以上だったら薬を出しますみたいな検査を受けてたんですけど、
今の病院はまた別の数値で出てきたんですよね。
20.5H
この数字って、どれくらいのレベルで悪いんだろう…。
ちゃんと聞いておけばよかった…。