パンドラの箱の中には…

普段ゲイ生活の36歳。ゲイ生活の中で得たスキルや知識をアウトプットするゲイブログ。

ACT.5:THE CONTINUATION OF DREAM AND MAGIC

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ここは、夢と魔法の王国、ディスニーシー。

 


ディスニーランドですら小学6年生の時以来行っていないので、
四半世紀ぶりのディスニーリゾートにして、
人生初のディズニーシー。

 

お酒が飲めると聞いていたので、
もうちょっと全体的にまったりとした場所なのかなと想像していたけれど、
ジェットコースターやフリーフォールタイプの絶叫系アトラクションも多い。

 

そんなジェットコースターに座る僕のシートの横に…

 

 

 

 

 

 

今、彼が居る。

 

 

 

 

 

 

 

 

遡ること1ヶ月前。
たまに立ち寄るお店のスタッフという形で1年ぶりに再会をした彼。

 

そして、後日またお店に立ち寄ったときは、
僕に連絡を取りたがっていたことを別のスタッフから聞いて、
何か変なことをしてしまったのか、少しソワソワしていた。
それとも、個人的にヤミケンしようって話か…
まぁ、きっとそれはない。

 

それからさらに数日後、
なんとなく今日は彼が居そうだなって言う、
自分の中の適当な直感でお店に足を運んでみた。
自分の直感も結構冴えてる。

 

彼から話を聞いていると、
特に何か大きな用事があったわけではなく、
単純にTwitterの交換をしたかったらしい。

 

ただ、当時僕のTwitterのアカウントはフォローもフォロワーもゼロ。
さすがにそんなのと交換するのはやや僕としては恥ずかしいと思い、
ダメ元で「LINEじゃダメかな?」と聞くと快諾してQRコードを読み取ってくれた。

 

売り専ボーイと客の個人的なやりとりは、
どこのお店でも原則禁止をされていることが多い。
彼が今は売り専ボーイではないといえども、
自分みたいなそれほど会う機会もなかった客とLINEの交換をしてくれるなんて夢にも思わない。
自分はただのたまーにくる客って感覚くらいだろうと思っていた。
ましてや、彼は画面の中の人。
ポルノスターの真崎航君が、
誰かも知らない僕の目の前に来て、
LINE交換をしようと言っているようなモノ。

スマホの操作をしている途中で、彼の液晶画面にディズニーの絵が見えた。
「ディスニー好きなの?」
「好きだよ。」
「そうなんだ。自分行ったことないんだ。小学6年生位のときにディズニーランドに行ったのが最後かな。ディズニーシーとか行ったことない。」
「ディズニーシーは酒が飲めるし面白いよ。今度一緒に行こ。」

 

最初はバーで知り合った人とよくある、
今度●●しましょうね。的な話題だと思っていたけど、
日を重ねLINEでやり取りするにつれて内容が具体的になってきた。

 

もし本当に行くなら、
ディズニーシーか、それとも行ったことのあるディズニーランドか、
ちょっとだけ悩んでいた。
こーゆーときに、いつも自分の優柔不断さが出てきてしまう。

 

ディズニーリゾートのウェブサイトを、
会社の休憩時間、パソコンの画面とにらめっこをしてみたけど、
どうも自分では判断ができない。

 

「お店でお酒飲みながら、今日中にどっちにするか返信する。」
彼にLINEを返すと、
「それなら僕も行く。今日は何も予定ないんだ。」
そう言って僕がお店に行くと、本当に彼がお店に来た。

 

いつものように自分はビールを、
彼はロシアンコークを注文した。

 

「普段、そんなキツいお酒飲むんだ?」
「いつもマリブコーラなんだけど、今マリブ切らしてるんだ。
それよりどっち行くか決めた?」

 

まだ決めかねて悩んでいる僕に、彼はスマホを取り出して、
ディズニーシーのアトラクションやフードを見せてくれた。

 

「タピオカドリンク売ってる!あ、プーさんのやつかわいいー!
モヒートも売ってるよ。しかもうちの店より全然安いじゃん(笑)。」

 

そんなはしゃいでいる彼の姿を見るだけでもお腹いっぱいだ。
折角今スマホでディズニーシーのことを見ているから、
ここでディズニーランドのアトラクションやフードの記事や写真を見てしまったら、
心がまた揺らいでしまう。
お店に入ってからここまで2時間くらい話し込んだり、
スマホみたりしてどうしようかユラユラしてたけど、
ディズニーシーに行くことに決めた。

 

行き先も決まったところで、彼がトイレに行った。
僕もタバコを切らしていて、
ついでにATMでお金も引き出したかったので、
その隙きをみて2、3分ほどコンビニに行くため抜け出した。
店に戻ってくると、
何故か彼が倒れていて、スタッフに看病されてた。

 

どうやらロシアンコークがダメだったみたい。
それを結構なピッチで3、4杯くらい飲んでたもんね。
そりゃ、ウォッカだもん…。

 

「たまにこーなるんだよね。
まー昔から知ってる子だし、慣れてるから全然いいんだけどねー。」
酔っ払って倒れている彼を手際よく笑いながらスタッフが看病している。

 

よくよく考えると、5年前に一度会って、
彼の出演するビデオを一通り鑑賞して、
売り専でも数回あって、
それでも彼の事、実は何も知らない。

 

どんなお酒を普段飲むのか、
どんな食べ物が好きなのか、
どんな銘柄のタバコを吸うのか、
好きなものは何か、
全部最近再会した時に初めて知ったことだ。
ロシアンコークでこんなになってしまうなんてもっと知らない。
それが何故か今は悔しい。

 

売り専を最後に綺麗にお別れ出来て、
そのまま会わないでいたならば、
きっとこんな感情にならなかっただろうに。

 

今日は僕がお店に来るから、彼は来てくれていた。
酔っ払っていて起きないからといって放置して帰れない。
でも、彼の家も知らない。
彼を店のバックヤードで休ませてもらうことにした。
きっと起きても電車で帰るのはしんどそうだなと思い、
タクシー代をスタッフに預けて僕も帰宅した。

 

その翌日、彼からお詫びのLINEが来た。
一応、度の強いお酒を飲んでぶっ倒れた次の日なので、
気になってちょっとだけ顔を出してみると、
意外にもケロっとしていて安心した。
それが分かったところで今日は早々に切り上げて、
帰ろうとしたところに彼が追いかけて来る。

 

「これは、さすがに受け取れない。」と封筒を渡された。
昨日、僕がスタッフに預けたタクシー代だった。

 

「昨日は自分が誘ったも同然だから。」
「いやいや。」
「全然大丈夫だから。」
「いやいや。」
「じゃあ、これでディズニーシーで美味しいものを食べよう。」
「いやいや。」
「じゃあ、これでお揃いのミッキーのTシャツを買おう。」
「いやいやいや。」

 

そんな押し問答がしばらく続いた。
でも、一度出したものをそう簡単には僕だって引っ込められない。

 

 

「なら…」

 


僕はしばらく悩んだあとに、
彼に不意打ちでキスをした。

 

「これキス代。じゃあね!」

 

そう言ってその場を逃げるように帰った。
今思えば僕はサイテーな奴だなって思う。

 

 

 

 

 

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それにしても、
自分の中でここ数日間、ロマンスがありあまりすぎている。

 

こんなやりとりだけでも、
結構胸いっぱいなのに、
そんな状態で、今彼とディズニーシーに居る。

 

朝一、バケツをひっくり返したような大雨が降っていて、
バスロータリーから、エントランスに行くまででずぶ濡れになったけど、
入園した途端に雨が止み、天候も良くなった。

 

おそろいのTシャツを彼に買ってもらい、
ジェットコースターで彼と一緒に叫び、
一緒にポップコーンを食べながら園内を歩いてる。

 

アトラクションにはそれほど乗れなかったけど、
ソング・オブ・ミラージュや、
夜のファンタズミックのショーを一緒に観れた。

 

 

 

お土産を買い、ゲートを抜けると、
何となく切ない気持ちになった。

 

「夢から覚めていくね。」

 

すかさず彼は、
「そう?別にまた来ればいいじゃん。」と返した。

 

以前、後ろは振り返らないと言った彼らしいセリフ。

 

 

僕はまだ、
君の夢から覚められない。

 

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