パンドラの箱の中には…

2019年11月、HIVの感染が発覚してからの日々を綴った36歳のゲイブログ

【HIV1日目】入院初日

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CTを撮った後に病室を案内された。
最初に来たときに入院したいと言ったら1日3万円かかると脅してきたくせに、
HIV感染症だとわかった途端に一旦家に戻ることすら許されず、
広い一人部屋を用意されて、なんだかちょっと感じが悪い。

 

ベッドの横には有料のテレビがあり、
その上に自分の名前と治療を受けている科の名前と担当医が記載されているモニターがある。
よく昔のドラマとかでベッドの上に手書きで名前とかが書かれているプレートが貼っているのを見たけど、今はもうこんなのも電子管理なんですね。

 

とりあえず、通院時の格好のままだったので、
パジャマを病院からお借りすることにした。

身体検査

しばらくしてドラゴンクエストのパーティのようにずらずら列を作って8人くらいの白衣を着た医師が部屋に入ってくる。
自分の目の前に一人の女医が来て問診をしてきた。

 

体の状態を見たいので服を脱いでください。

 

あぁ、こんな8人の前で露出しなきゃいけないのかと渋々服を脱いだ。
この時は熱が高いのと、扁桃腺が腫れているという症状のみで、
体には特に異常はなかった。

 

パンツも脱いでください。

 

えー、パンツも脱ぐのかと渋々脱いで、女医に陰部を見せた。
こちらも湿疹等はなく異常はない。

 

おしりも見せてください。

 

そう言われM字に開脚して普通にお尻を見せると、

 

ご自身でお尻を手で開いて肛門を見せてください。

 

まるでゲイビデオの撮影だ。
僕の肛門を見てその後女医が、

 

あなた、お薬やっていませんでしたか?

 

と聞いてくる。

 

当然そんなモノはやっていない。
しいていえば、規制される前に黄色い小瓶を使ってそーゆー行為をしたことはあるが、
かれこれ10年以上前の話。
規制されてからは至って普通のよくある行きずりの恋だ。

 

本当にしていないですか?

 

それでもしつこく聞いてくるので、途中でめんどくさくなって首を振ったが、

 

薬をやっていないとこんな肛門にはなりませんよ。

 

と言ってくる。

 

たくさんの医師に囲まれている状態だったので一瞬躊躇はしたのですが、
もう正直に、
男性との経験はあるが、薬はしていないと反論をした。

 

それでもこんなんにはなりませんよ。

 

そこまで言うのだから、自分の肛門に何かできているのかを聞いてみると、

 

穴が開いてます。

 

・・・だって。

 

 

尻の穴が開いてたらみんな薬中なのかよと、内心イラッとしたが、
これ以上反論する気力がない。
もうそう思うなら勝手にそう思ってくれって感じだ。

 

定期的に接触を持っていた男性のアレが大きかった、それだけだ。

 

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定番のディルド「アラブ」

 

あ、あとたまに、アダ●トグッズ通販のN●Sで、
定番のディルド「アラブ」を使って自慰行為をしたくらい。

 

余談だが、この行為の事を、
僕は「アラブの春」と個人的に呼んでいる。

 

とりあえず薬はやっていないものはやっていないので、
それしか言いようがない。

 

点滴

医師たちはみんな部屋を後にして、
今度は看護師が点滴の用意をする。

 

2リットル近くはありそうな大きな点滴袋に点滴用の機械をセット。
これを入院中はずっと付けるんだとか。

 

それと一緒にバーコードが付いた患者管理用のバンドを腕につけさせられた。
これをバーコードリーダーにかざすとパソコンのカルテにも反映されるらしい。
社会人になって初めての入院で、医療もこんなに電子化されているのかとちょっと関心した。

 

医師の問診も終わり、点滴もセットして、しばらくベッドで横になっていると、
夕食が出てきたが、当然食欲はない。
1つも口をつけずに下げてしまった。

 

ケータイも全部家に置いてきてしまったので、
何もできない、何もやることがない状態。

 

ふと外を見たくなり起き上がって、
重たい点滴スタンドを引いて窓の外を覗いた。 
18階にある個室、目の前は新宿アイランドタワーで景色は全く見えない。
向かいはオフィスなのかスーツでデスクワークしている人が見えた。

壁で気が付かなかったけど、窓の横にドアの一切ついていないトイレがあった。
熱にうなされながらもウンコしずらそうだなぁと、どうでもいいことを思った。

 

HIVって治らないけど、もっと軽いものかなって思ってた。
まさかこうして入院するなんて思いもしなかった。

 

入院費はどうしよう。
会社にはなんて言おう。
親になんて言おう。

 

そんな気持ちに押しつぶされそうになって、その日は全然寝付けなかった。