パンドラの箱の中には…

2019年11月、HIVの感染が発覚してからの日々を綴った36歳のゲイブログ

【HIV33日目】HIV陽性者同士の壁

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あまり体調が良くない。
熱とかはないけれども、
体は発疹だらけだし、
HIV感染前の体力が全然戻ってきてない。

 

昨晩の約2時間のプログラムさえも、体力的にちょっとしんどい。
でも、同じ陽性者の人とあってなにか話ができれば気持ち的に何か変わるかも知れない。
そんな希望を持って参加したぷれいす東京主催の昨日のプログラム、そして今日の年末パーティ。

 


多分全員が全員ではないだろうけど、ここにいるほとんどの人がHIV陽性者。
実はこんなに陽性者がいるんだなと、会場を入って圧巻した。
昨日のプログラムに参加していた子の一人も居た。
彼とは同じ時期にHIV感染し、ともにHIV歴1ヶ月目、
会場の人たちが挨拶廻りをしていたけれど、
他に知り合いの居ない僕たちは、なんだかアウェイ。
それでもこれから一緒にキャリアを刻んでいくであろう彼が今日参加しているのはそれだけで心強い。

しかしそんな時間も長くは続かなかった。
強制的に席をシャッフルされて、別の席になってしまった。

 

そんな中自分が参加した席のグループ。
最初に自己紹介、自分の番が回ってきて軽く自分の事を紹介すると、
「まだ1ヶ月なんだね。」
「エイズ発症してないだけよかったね。」
そんな言葉が返ってきただけであとは見向きもされない。

 

一通り、他の方の自己紹介を聞くと、
みんな感染歴が長く、ほとんどの方が、
ニューモシスチス肺炎などにかかったことがあり、
俗に言う、エイズに発症した人たちだった。

 

確かに、自分は感染後すぐ高熱が出て、
その段階でHIV感染もわかったある意味ラッキーな人かもしれない。

 

でも、同じグループになった他の人は、
エイズを発症し、または生死の彷徨った事をきっかけに、
HIV感染がわかったような方ばかりで、全く話についていけない。
「それは大変でしたね。」
「いやいや、○○さんも大変じゃないですか。」
「海外でお仕事されてたんですか?すごいですね。」
「いやいや、もうHIVで行けなくなっちゃったので…。でも△△さんも英語話せるんですからいいじゃないですか。」
そんなやりとりに僕はただ、うんうんと相槌を入れるしかできない。

 

「よかったらLINE交換しましょう。」
「そうしましょう。QRコードお願いします。」

僕は静かにその場を立ち去り、トイレの個室に逃げた。
自分は、あの輪の中に入れない。
HIV感染してまだ彼らほど大変な思いをしたことないし、
海外にさほど興味もないし、英語も話せない。
同じHIV陽性者でも、違う壁を感じた。
用をたして、手を洗うために袖をめくると出てくるバラの斑点が、
ますます自分のことを嫌いにしていく。

 

年末パーティ自体は、ビンゴをやったり、ジェスチャーゲームをやったり、ケーキとかサンドイッチをもらえたり、
本当だったら楽しいはずなんだろうけど、何か見えない壁があった。
ここに自分の居場所はないような気がした。

 

 

とりあえず、ビンゴで柑橘系のシャンプーをもらったので、
これでちょっとだけでも癒やされますかね。